今回は基礎的なトレーニングを4つご紹介しましたが、基礎トレーニングはいずれも第一に犬自身を守り、他人に迷惑をかけずに過ごすための必須トレーニングです。
トレーニングを行うことは、全般的に飼い主さんが犬の上に立ち、リーダー的存在になることを意味します。
問題行動が多い犬のほとんどは、飼い主さんが犬のリーダー的存在になりきれずに、犬が優位に立っている場合が非常に多いといえます。
犬に愛情をかけることも大切ですが、いざという時に、しっかりと犬をコントロールできる状態でないと、愛犬を危険から守ることはできません。
犬社会では、昔から群れで生活する上で、必ずリーダー的存在の犬が、行動に対する大切な指示をだしてきました。
そのため、犬が家庭犬となった現在では、飼い主がしっかりと主導権を握るリーダーとなる必要があります。
家族という群れの中でリーダーが不在の犬は、常に危険を感じて神経を張り巡らせて、不安でいっぱいとなっている場合がほとんどです。
私は、保護犬の愛護活動に参加することも多々ありますが、捨てられてしまう犬の多くは、飼い主に噛みついたり、威嚇したり、吠えてばかりなど様々な問題を抱えていたりします。
こういった犬の多くは、基礎トレーニングがしっかりとできていません。
犬にもともとの問題があるという症例は少なく、飼い主がしっかりとした基礎トレーニングを行わずに、リーダーが不在となってしまった犬がたくさんいるのです。
可愛がってばかりで犬に好き勝手をさせると、結果的に犬の生活の質を精神面で圧迫してしまいます。
犬にとって「しっかりとしたリーダーがいる」ということは、生活する上での安心材料となり、生活の質を高めて、犬自身を守ってくれます。
犬の豊かな生活のためにも、基礎トレーニングでしっかりと信頼関係を築いていきたいですね。