飼い主さんが愛犬の目の前で他の犬を可愛がっていると、犬は悲しそうな表情や怒ったり、前足で飼い主さんにちょっかいを出してきたりなど、様々な仕草をする場合があります。
もしかしたら、その仕草は愛犬のヤキモチかもしれません。
今回は、飼い主さんを独占したい時にみられる仕草や嫉妬の対処法を紹介します。
犬もヤキモチをやくって本当?飼い主さんを独占したい犬の嫉妬と対処法
はじめに
犬はヤキモチをやきます!
実は犬のヤキモチは、科学的に証明されています。
犬の目の前で飼い主さんが犬のぬいぐるみを可愛がり、犬の反応を見るという実験では、なんと犬の78%が飼い主さんにちょっかいを出しました。
1/3の犬は、飼い主とぬいぐるみの間に入り、1/4の犬は、ぬいぐるみを攻撃してしまったそうです。
この実験では犬のぬいぐるみ以外も試していますが、その場合はほとんどの犬が反応しませんでした。
また、実験に参加した犬の86%が、犬のぬいぐるみのおしりを嗅いだそうです。
ぬいぐるみを本物の犬と認識して、嫉妬に近い感情をもったのでしょう。
他にも、こんな実験があります。
人が犬のフィギュアにおやつを与えるところを見せて、犬の脳の反応を見ました。
すると、犬の脳の偏桃体(恐怖や不安、嫉妬に反応する部分)が活性化したという結果が得られたのです。
これらの実験から、犬も人と同じように嫉妬の感情があると考えられています。
飼い主さんを独占したい犬に見られる仕草
犬は嫉妬心から、飼い主さんを独占したい!と様々な仕草をして、気持ちを伝えようとします。
2018年に発表された研究では、犬は飼い主に自分の気持ちを伝えるために、少なくとも19種類の仕草を使いこなしているそうです。犬って本当に賢いですね。
ある犬は、飼い主さんにおもちゃで遊んで欲しい時、そのおもちゃをくわえて、飼い主さんの前に放り投げます。
さらに犬は、自分の気持ちを飼い主さんに分かってもらえるまで、同じ仕草をするのです。
ただし、犬によっても自分の気持ちの表現は異なります。
愛犬がおもちゃを放り投げてきたから「遊んで欲しいのかな?」と思い、遊んだけれど「そっぽを向いている」なんて場合もあるということです。
では、犬が飼い主さんを独占したい時、どんな仕草をするでしょうか?
考えられる仕草をご紹介します。
飼い主さんが他の犬を可愛がると、ちょっかいを出してくる
冒頭で伝えた通り、犬は飼い主さんが他の犬を可愛がるとヤキモチをやきます。
犬は、ちょっかいを出したり吠えたりして、自分に注目を集め、飼い主さんを独占したいと考えているのかもしれません。
仮病を使う
こんなことありませんか?
愛犬との散歩中、愛犬が急に後ろ足を痛がり、歩かなくなった。
心配して、すぐに病院に連れて行ったが、問題はなく、原因が分からない。
心配で仕方がなかったが、自宅に帰ると、元気に走り回っている。
飼い主さんが外出しようとすると、ぐったりする。
心配して駆け寄ると、元気に走り回る。
こんな場合、犬が仮病を使っていた可能性があります。
犬は、以前ケガをした時や体調不良の時に、飼い主さんが親身に世話をしていたことを覚えています。
そのため、その時と同じ状況になれば、飼い主さんを独占できると学習し、仮病を使っている可能性があります。
自分のしっぽを追い、グルグル回る
愛犬が、自分のしっぽを追い、グルグル回っている。
そのユーモラスな姿に、飼い主さんが思わず歓喜したことはありませんか?
愛犬は、回れば飼い主さんの注目を集めることが出来ると学習し、回っている可能性があります。
しつこく吠える
愛犬が「ごはんが欲しい時」「散歩に行きたい時」「抱っこして欲しい時」などに吠えることは珍しくありません。
吠えると飼い主さんの注目してもらえ、独占できると学習しているのです。
飼い主が帰宅するとおしっこをする
いわゆる「うれション」です。
うれションをする理由は、子犬時代の記憶の名残と考えられています。
母犬は、子犬の排泄を促すために、我が子をなめます。
それは、きっと幸せな記憶なのでしょう。
親代わりの飼い主さんを前にすると、子犬時代の幸せな記憶が蘇り、おしっこをしてしまいます。
また、飼い主さんに子犬時代、初めてペットシートでおしっこが出来たことを褒められたことを覚えていて、嬉しくておしっこをしてしまう子や、おしっこをした時に、飼い主さんが「大変!」などと騒ぐとかまってもらえると学習し、おしっこをしている子もいます。
おしっこをすれば、飼い主さんの注目を集められる、独占できると考えているのかもしれません。
突然、人に咬みつく
家に友人が来た時、友人は何もしていないのに、愛犬が急に友人を咬んでしまった。
こんな場合は、友人に飼い主さんを取られたと嫉妬し、咬みついてしまったことなどが考えられます。
犬の嫉妬の対処法
愛犬の嫉妬は可愛いと感じてしまいますが、愛犬のためにならないことも多々あります。
注意したい愛犬の嫉妬とその対処法を紹介します。
飼い主さんが他の犬を可愛がると、吠えてしまう。
何も言わず、その場から離れましょう。繰り返し行うと、愛犬は吠えても飼い主さんが注目してくれないと学習します。
トレーニングを繰り返しても吠え続ける場合は、ドックトレーナーなどの専門家に相談してみましょう。
仮病を使う
忙しくて愛犬を構えなかった場合は、スキンシップを増やして様子をみてみましょう。
外出前に仮病を使う子は、飼い主さんの様子からお出掛けを感じ取っている可能性があります。
「今日はおでかけの日だけど、すぐに帰ってくるね」や「行ってきます」など、飼い主さんが外出することを愛犬に伝えることは、お勧めしません。
犬は「おでかけ=飼い主さんがいなくなって寂しくなる」と学習してしまいます。
出来るだけ愛犬に気づかれない様に外出しましょう。
仮病を使う以外に、いつもはいい子なのに留守番させると、トイレ以外で排泄している、物を壊している等の行動がある場合、心の病気かもしれません。獣医師に相談してみましょう。
仮病を繰り返している場合、病気が隠れている可能性も十分にあります。動物病院にいきましょう。
自分のしっぽを追い、グルグル回る
回り出したら、おもちゃで遊んであげたり、犬を散歩に連れて行くなど愛犬の気を紛らわすようにしましょう。
愛犬が頻回に回っている場合は、肛門腺が溜まっている場合や、肛門周囲に炎症が起こっている可能性があります。獣医師に相談しましょう。
しつこく吠える
吠えても要求が叶わないことを教える必要があります。
愛犬が吠えるのを止めるまで、無視して下さい。その場を立ち去るのも良いです。
愛犬が吠えるたびに要求を叶えていると、犬は飼い主さん以外でも人に吠えたら自分の要求が叶うと学習してしまいます。
辛いですが、愛犬のためと思って下さい。
そして、吠えるのを止めた時は大げさに褒めて愛犬の好きなおやつをあげましょう。
何回か繰り返すと、犬は吠えなくても要求が叶わないと学習します。
飼い主が帰宅するとおしっこをする
愛犬を留守番させた後、ついつい「いい子だったね!」と大げさに褒めてしまう場合があります。
そうすると愛犬は興奮してしまい、うれションをしてしまうかもしれません。
まずは、飼い主さんが興奮しないようにしましょう。
なお、叱るのは逆効果です。
おしっこすること自体が悪いと勘違いさせ、我慢してしまうようになってしまいます。
愛犬がおしっこをしても、飼い主さんは平静を保ち、おしっこを片づけてあげましょう。
突然、人に咬みつく
飼い主以外の人も「敵ではない」と教える必要があります。
人に慣れさせるトレーニングをしてみましょう。
1. 自宅に友人など来客者が来るときは、犬をサークルに連れていく。
2. 愛犬が落ち着いた状態になれば、サークルから出す。
3. 友人を警戒する様子がなければ、飼い主さんがおやつをあげる。
4. 飼い主さんが友人の傍にいる状況で、友人がおやつをあげる。
このようなトレーニングを繰り返してみて下さい。
それでも人に咬みつこうとする場合は、ドックトレーナーなどの専門家に相談する必要があるでしょう。
愛犬の気持ちを知ろう
こんな話があります。
飼い主さんがバタバタと忙しくしている時に限って、犬が飼い主さんの元に次々とおもちゃを持ってくる。
これは、飼い主さんの愛情を確かめる行為と考えられています。
犬は「忙しくても、ボク、ワタシのこと愛しているよね?なら遊んで!」と考えているのです。
人間の嫉妬と同じですね。
飼い主さんを独占したい犬に見られる仕草は、沢山ありました。
中には注意したい仕草もありますので、気になる場合は専門家に相談して下さい。
犬はその子によって、自分の気持ちを伝える仕草は異なります。
紹介した以外にも、沢山の飼い主さんを独占したい仕草があると思います。
愛犬が、どんな時に飼い主さんを独占したいと思い、どんなことに嫉妬をするのか。
是非、愛犬の可愛い仕草を見つけてみて下さい。
