犬は人間に比べて成長するスピードが速く、一生も短い動物です。
そんな愛犬と少しでも長く一緒に暮らしたいというのは、愛犬家なら誰でも思うはず。
同じ環境・同じ食事で育った犬同士でも、犬種や体のサイズなどによって犬の寿命は変わります。
犬と人間の年齢を比較して、愛犬との限られた時間をもっと大切に感じてみてはいかがでしょうか?
愛犬の年齢は人間に置き換えるといくつ?年齢の計算式と早見表
はじめに
犬の平均寿命は14.62歳
獣医療の進歩と飼育環境の向上により、犬の平均寿命はここ数年で大きく延びています。
一般社団法人ペットフード協会が実施した調査によると、2023年時点での犬の平均寿命は14.62歳。
体のサイズや犬種、個体差などを踏まえたうえで考えると、10~14歳が犬の平均寿命と考えてよいでしょう。
世界で1番長生きした犬は29歳
現在、もっとも長寿な犬として記録が残っているのは、1910年生まれのオーストラリアンキャトルドッグ「ブルーイー」です。
オーストラリアンキャトルドッグは牧羊犬として知られ、健康で長生きする犬種として広く認識されています。
ブルーイーは29歳160日の年齢で、出生年が確実に証明されており、この記録は現在もギネス世界記録に登録されています。
また、日本でもっとも長生きした犬は、柴犬ミックスの「プースケ」で、26歳248日という記録を持ち、歴代の長寿犬の中では世界で10位にランクインしています。
なお、2023年5月にポルトガルで暮らしていた「ボビー」というミックス犬が、30歳と266日という驚異的な年齢でギネス記録に登録されました。
しかし、その後の調査により、ボビーの年齢を証明する公式な文書が不完全であったため、2024年8月にこの記録は取り消されています。
犬の成長スピードは、人間の約4倍!犬年齢の計算式早見表
個体差はありますが、犬は人間の約4倍で歳をとるといわれています。
犬の年齢を人間で換算した場合の目安を、わかりやすいように表にしてみました。
| 犬の実年齢 | 体のサイズ別年齢表 | |||
| 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 | 超大型犬 | |
| 1ヵ月 | 1歳 | 1歳 | 1歳 | 1歳 |
| 2ヵ月 | 3歳 | 3歳 | 3歳 | 3歳 |
| 3ヵ月 | 5歳 | 5歳 | 5歳 | 5歳 |
| 6ヵ月 | 9歳 | 9歳 | 9歳 | 9歳 |
| 1歳 | 13歳 | 13歳 | 13歳 | 13歳 |
| 1歳半 | 20歳 | 20歳 | 20歳 | 20歳 |
| 2歳 | 24歳 | 24歳 | 24歳 | 24歳 |
| 3歳 | 28歳 | 29歳 | 31歳 | 39歳 |
| 4歳 | 33歳 | 34歳 | 38歳 | 49歳 |
| 5歳 | 38歳 | 39歳 | 45歳 | 59歳 |
| 6歳 | 42歳 | 44歳 | 52歳 | 69歳 |
| 7歳 | 46歳 | 49歳 | 59歳 | 79歳 |
| 8歳 | 50歳 | 54歳 | 66歳 | 89歳 |
| 9歳 | 54歳 | 59歳 | 73歳 | 99歳 |
| 10歳 | 58歳 | 64歳 | 80歳 | - |
| 11歳 | 62歳 | 69歳 | 87歳 | - |
| 12歳 | 66歳 | 74歳 | 94歳 | - |
| 13歳 | 70歳 | 79歳 | - | - |
| 14歳 | 74歳 | 84歳 | - | - |
| 15歳 | 78歳 | 89歳 | - | - |
| 16歳 | 82歳 | 94歳 | - | - |
| 17歳 | 86歳 | - | - | - |
| 18歳 | 90歳 | - | - | - |
| 19歳 | 94歳 | - | - | - |
| 20歳 | - | - | - | - |
シニア前期シニア後期ハイシニア期
表をみてみると、どのサイズの犬も圧倒的に人間より成長スピードが早いことが分かります。
私たち人間からすればたった1年間ですが、犬にとっては4年にも5年にもなる長い時間なんですね。
なお、成犬になってからの成長スピードは小型犬のほうが遅いため、大型犬のほうが先にシニア期に入ります。
小型犬の5歳はまだまだ若いですが、大型犬の場合はその辺りからシニア期に入ることが多いといえるでしょう。
大型犬は平均寿命が短い
大型犬は小型犬や中型犬と比べて老化スピードが早く、平均寿命も短い傾向があります。
なんとなく小型犬のほうが短命のような気がしてしまいますが、実は犬の寿命は体が大きいほど短いのです。
サイズ別平均寿命
| 小型犬(9kg未満) | 14〜16歳 |
| 中型犬(10〜23kg未満) | 10〜13歳 |
| 大型犬(23kg以上) | 8〜10歳 |
大型犬の平均寿命が短いのは「内臓機能の発達が不十分なことで、細胞の老化が早い」ことが原因です。
細胞の老化スピードが早いということは、それだけ体の自由が利かなくなる時期がくるのも早いということ。
また、大型犬はガンなどの悪性腫瘍を発症しやすかったり、早くに足腰を悪くしやすかったりといった問題もあります。
もちろん全ての大型犬が短命なわけではありませんが、一般的には小型犬・中型犬よりも寿命が短いといってよいでしょう。
犬種によっても歳をとる早さは違う
小型犬・中型犬・大型犬とそれぞれのサイズのうち、犬種によっても歳の取り方は変わってきます。
3つのサイズの中でもっとも平均寿命が長い小型犬ですが、中でも特に長生きなのはダックスフンドやマルチーズ、チワワなどです。
しかしその反面、フレンチブルドッグなど短頭種と呼ばれる鼻のつぶれた犬たちの平均寿命は10〜13歳とやや短め…。
また、中型犬では柴犬など日本犬の寿命が比較的長く、大型犬ではラブラドール系の犬種が長生きしやすいといえるでしょう。
ちなみに、犬種の異なる犬同士を親に持つ雑種は純血種よりも免疫力が強いといわれており、そのぶん平均寿命も長い傾向があります。
犬の寿命を延ばすには、日々の生活から
たとえ寿命が短いといわれている犬種・サイズでも、毎日の生活を見直すことで寿命が延びる可能性は十分にあります。
そのためには、愛犬がかかりやすい病気やトラブルを把握し、食事や運動などで予防していくことが大切です。
考え方の例
大型犬
老化を促進する活性酸素予防として、サプリメントを飲ませる。
シニア期に入ったら無理な運動は控えつつ、足腰が弱まらないように適度に歩かせる。
フレンチブルドッグなどの短頭種
生まれつき呼吸がしづらいことで心臓に負担がかかりやすいため、太らせないようにする。
また、できるだけ内臓に負担がかからないように、塩分控えめの食事を与えるように心がける。
愛犬と過ごす幸せな時間は、永遠に続くわけではありません。
しかし、飼い主の心がけ次第では愛犬の寿命を今よりもっと延ばすこともできるのです。
少しでも長く一緒にいられるように、ぜひ日々の生活を見直してみてくださいね!
